横山典弘騎手は実はわかりやすい!特徴と傾向とは! [騎手/ジョッキーの特徴]
よく「騎手にイライラしたら負け」と言われますが、福永騎手と並んでたびたびファンの不評を買うのが横山典弘騎手です。
既に大ベテランの域ですが、騎乗ぶりも、ベテランそのもの。
少しでも可能性がないと見るや馬の将来を考えて諦める傾向があり、手応えのない馬を無理に出していくようなこともせず、ファンの間で「ポツン」と言われるような最後方追走も珍しくありません。
買っていた馬がレース序盤から最後方・・・・・・となれば、ファンが怒るのも無理はありません。
しかし一方で、卓越した技術を持つ天才肌のジョッキーであることもたしかなのです。
1.継続騎乗で馬の癖を把握する横山典弘騎手!
2016年の大阪杯では、それまで差す競馬を続けてきたアンビシャスを突如先行させ、キタサンブラックやショウナンパンドラといった並み居る一流馬を封じての勝利。
そうかと思えば、同年秋の毎日王冠ではヒストリカルに騎乗し、離れた最後方を追走。
多くのファンが「ああ、またいつものポツンか」とガッカリしかけたのを余所に、直線で猛然と追い込んでブービー人気を覆す3着に持ってきました。
また、エイシンヒカリのアイルランドトロフィーも異例のレースとして有名です。
直線に入ると外ラチに向かって斜めに走り始めたエイシンヒカリは、最後はスタンドの目の前を走り抜けて1着でゴール。
馬自身の癖もありますが、無理に矯正しようとしない同騎手らしい騎乗でした。
逃げ差し変幻自在、ただし、やる気のない時はすぐにやめてしまうという、なんとも職人肌で読めないタイプに見える横山典弘騎手。
ですが、実は意外と「読める騎手」の部類に入ります。
大きな特徴のひとつは、継続騎乗で馬の癖を把握するということです。
横山典弘騎手はテン乗り、いわゆるその馬に初めて騎乗するレースでは、基本的に無理はしません。
ゲートを出て何もせず、馬に行く気があればその気に任せ、なければそのまま何もしない。
結果としてあまり行く気を見せない馬は、後方からの追走になります。
これが「ポツン」となるわけですが、乗り続けることで馬とのコンタクトや信頼関係が築かれると戦略を変えてきます。
2014年の日本ダービーを制したワンアンドオンリーはこのパターンでした。
テン乗りの弥生賞では後方一気、2戦目の皐月賞でも後方からの追い込みと、馬の気分を害さない競馬を続けましたが、3戦目の日本ダービーでは一転、強気の先行策を見せます。
すると、直線も二枚腰で粘り、見事に後続の追い上げを封じました。
継続騎乗によって馬を作っていく、そんな横山典弘騎手の持ち味が最大限に発揮されたレースだったと同時に、大一番で突如先行させるという、なかなか勇気がないとできない騎乗をアッサリとやってのける名手の凄みを感じさせました。
このように横山典弘騎手の場合は、テン乗りと継続騎乗では評価を変えて予想に織り込めば良いのです。
2.芝の内枠が大得意の横山典弘騎手!
また、内枠に強いことでも有名で、特に芝の内枠は大得意。
先ほどのワンアンドンリーでのダービー制覇など、ダービー2勝はいずれも1枠でした。
芝コースで内が伸びる馬場状態の時に内枠に横山典弘騎手が入ったら、より一層評価を上げる必要があります。