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JRA競馬場の芝の構造と特徴!洋芝・野芝・オーバーシード芝とは? [競馬予想手引書]



日本のJRA競馬場の芝コースには次の3種類があります。
・ケンタッキーブルーグラスを中心とした多年草の洋芝コース
・野芝100%の芝コース
・オーバーシードの芝コース。野芝を生やした上に、イタリアンライグラスという1年草の洋芝の種をまいた芝コース。
ということで、今回はこの芝の構造と特徴についてまとめてみました。


北海道の洋芝コース


ケンタッキーブルーグラスを中心とした多年草の洋芝コースは、競馬および芝文化の発祥の地、イギリスで昔から使われてきた伝統的な芝生です。
イギリスは寒いところですので、これらの芝も寒い気候でよく育つ性質です。

北海道の札幌競馬場・函館競馬場の芝コースではケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスという、3種類の洋芝が使われています。
野芝のオーバーシードに使うイタリアンライグラスが一年生植物(一年草)なのに対して、これらの3種類の芝草は多年生(多年草)なので、通年枯れることなく緑であり続けます。

ケンタッキーブルーグラスは、野芝的に横の地下茎を持つ洋芝で、これが強度的な主役を担います。
それに対してトールフェスクは比較的暑さに強く、ペレニアルライグラスは比較的成長が早いといった特徴があります。
こういった異なった性格を持った3種類の芝を、同時に育てることで安定した芝生になります。
この3種類の芝を一緒に生やすのは欧州の競馬場でもスタンダードのようです。

これらの洋芝は、種をまいて育てます。
野芝が地面を這うように伸びていくのに対して、これらはいずれも地上部に立って、放っておくと空き地の雑草のように背が高くなります。
それを短く刈り揃えて芝生にします。


新潟の野芝100%の芝コース


野芝100%の芝コースは、新潟競馬場で使われています。
野芝は、日本各地に自生する芝で、笹に似た地下茎が地表近くを縦横に延び、夏時期には最も丈夫な芝なのですが、冬期には葉が白くなってしまいます。
新潟は冬時期の開催がないので、野芝だけの芝コースで競馬することができます。
ちなみにエクイターフも野芝の一種です。

野芝は種でも増やせますが、普通は産地で芝生に育てたものを買ってきて貼りこんでいくことが多いです。
ホームセンターなどで売っている芝は野芝ではなく高麗芝であることが多いのですが、見かけはほとんど同じ芝です。


オーバーシード芝の芝コース


オーバーシードの芝コースは新潟以外の本州以南の競馬場の芝コースです。
JRAの10場のうち7場がこれに該当し、日本の芝コースの主役になっています。

新潟以外の競馬場には冬の開催があります。
かつての日本では野芝100%の競馬場で1年中開催していましたが、10月を過ぎると野芝は休眠期に入り葉が白く紅葉してしまいます。
第1回ジャパンカップ(1981年)でそれを見た外国馬の関係者が「日本ではオフシーズンの芝で競馬しているのか」と質問しました。
それをきっかけに導入したのがオーバーシード技術です。

オーバーシードとは多年生(多年草)の芝の上から一年生(一年草)の芝の種をまくことで、芝の世界ではごく一般的に行われています。

いってみれば北海道の洋芝だって、複数種の芝を一緒に生やしてそれぞれの長所を生かしているわけですが、北海道の洋芝の場合は3種とも1年中生えているのに対して、それ以外の芝は生えている時期が限られる点が相違点です。

日本の競馬場の場合は、野芝の上にイタリアンライグラスとういう一年生(一年草)の洋芝の種をまきます。
イタリアンライグラスは20度前後で発芽・生育する芝で、真冬になっても葉が紅葉しません。
それによって、季節をまたいで芝生を緑に保つことができます。

さらに夏になると、イタリアンライグラスが弱ってきて自然に消えてなくなってしまうのも、野芝の生育を邪魔しない便利な性質なのです。


まとめ


以上が、JRA競馬場の芝の構造と特徴についてでした。
昔々の過去のレース映像を見ることがあると思いますが、冬開催のレースについては芝が真っ白になっていることがあります。
現在では、緑色が保たれていますが、上記のような理由があったのですね。


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